センサータワー、2024年モバイルゲーム状況レポートを発表

グローバルモバイル市場データ分析企業センサータワー（Sensor Tower）が、2023年モバイル市場のトレンドと主要ゲームと上位 パブリッシャーの成果、モバイルゲームのモデル・ジャンル・デジタル広告と創造的な要素がどのようにモバイルゲーム市場の構造に影響を与えたか、既存の ブランドとIPを活用してプレイヤーのエンゲージメントを高めた方法などを確認できる「2024年モバイルゲーム状況」レポートを発表した。

2023年はモバイルゲーム市場にとって厳しい年だった。前年比で比較すると、世界全体のダウンロード数が減少したことがわかる。 具体的には、App Storeは6％減少した一方で、Google Playは11％減少し、その幅は 大きかった。Google Playのゲーム収益は6％減少した一方で、App Storeの収益は横ばいだった。

しかし、このようなマクロレベルでの下降は、主にAndroidゲームのビジネス成果によるものである。ミクロレベルでのトレンドを詳しく 見ると、一部のジャンル、地域、パブリッシャー、ライブオペレーションの運営、マーケティング慣行で勝者と敗者が現れるなど、より複雑な状況が明らかになった。

ダウンロード数ベースで上位10位のゲームジャンルにおけるダウンロード数の変化を見ると、パズルジャンルは「Block Blast!」、「ロイヤルマッチ（Royal Match）」などの新作ゲームと、「キャンディークラッシュサガ（Candy Crush Saga）」、「夢の庭（Gardenscapes）」などの 定番タイトルのおかげで、前年同期比6％の減少にとどまった。パズルジャンルは、イベントやライブオペレーションを通じて既存のユーザーベースを維持することに 注力することで、強みを発揮してきた。

収益ベースで上位10位のゲームジャンルにおける収益の変化を見ると、カジノジャンルの収益は前年同期比18％増加と好調で、特にScopelyの「モノポリーゴー！（Monopoly Go！） 」の活躍が目立った。

パズルカテゴリも、既存のプレイヤーベースを成功裏に維持し、収益を生み出した定番のキャジュアルゲームである「キャンディークラッシュサガ」と「夢の 庭」の高い収益貢献に支えられ、前年比10％増加した。「たたかう！特攻隊（Survivor.io）」のようなハイブリッドキャジュアル 作品は、プレイヤーを効果的に維持し、収益を高めた。

ゲームモデルの環境を見てみると、「カジュアル化」傾向はますます明らかになっている。キャジュアルプレイヤーは一般的に、軽くて簡単なゲームで、 素早いエンターテイメントと進行を提供するものを見つけようとする。一方、ミッドコアプレイヤーは、より深い体験を切望している。歴史的に、ミッドコアプレイヤーは キャジュアルプレイヤーよりもゲームに時間とお金をより多く投資しているが、このような好みを持つため、潜在的な顧客に繋がるのが難しい。

デジタル広告主がターゲットオーディエンスに効果的にリーチするのに苦労している今日の市場では、キャジュアルゲーマーをターゲットとする 方向へのトレンドシフトが見られる。ミッドコアゲームの世界全体の収益が9％減少したことが、この変化の影響を示している。これを 「カジュアル化トレンド」と呼ぶが、このトレンドはハイブリッドキャジュアルゲームモデルの台頭に繋がった。ハイブリッドキャジュアルゲームは、前年 比で驚異的な30％の売上増加を記録した。

世界全体では、ダウンロード数は前年比10％減少し、収益は2％減少したが、これらの数値を地域別に見てみると、いくつかの興味深いトレンドが 確認できる。アジア市場のダウンロード数は前年比10％減少し、収益は6％減少した。国内競争が激化するにつれて、より多くのアジアの 開発者とパブリッシャーが、西洋のオーディエンスをターゲットにしている。これは、グローバル展開に対するアプローチの戦略的な転換を意味する。

ガチャベースの収益化モデルは依然として支配的な存在であり、文化的に広く受け入れられており、アジアにおけるミッドコア ゲームの成功を牽引している。テンセント（Tencent）、ネットイース（NetEase）、miHoYoなどが、パブリッシャー ランキングで常に上位を占めている。国別に見てみると、中国がアジア全体の売上の39％を占め、日本が33％、韓国が 12％を占めている。

中東や中南米などの新興市場でも、収益の成長が顕著にみられる。ブラジルは2023年、ダウンロード数ベースで米国とインドに次いで3番目に多くの国となり、収益ランキングでは13位となった。これは、中南米ゲーム市場の重要性が高まっていることを示している。ユーザー 獲得戦略が、インストールあたりの費用（CPI）が低い地域へとシフトするにつれて、中南米のダウンロード数はヨーロッパをも凌駕した。中東、特に サウジアラビアでは、モバイルゲーム環境に対する関心が高まっているため、ダウンロード数と収益がともに増加した。

地域別に細分化されたゲームモデル別の収益市場シェアの分布を見ると、ヨーロッパと北米ではカジュアルゲームへの好みが強い一方で、アジア、 中東、中南米では、ミッドコアゲームに対する全体的な支出がより高い。「ガーナフリーファイア（Garena Free Fire）」などの ミッドコアゲームは、過去数年間にこれらの市場で重要な成長を遂げており、これは中南米と中東がミッドコアのサブジャンルに成長の機会を提供していることを示している。ハイブリッドキャジュアルゲームの売上比率が最も高い地域は中南米であり、その中でもブラジルがかなりの割合を 占めている。

アジア、北米、ヨーロッパ、中東、中南米の収益ベースで上位のモバイルゲームを見ると、その多様性が確認できる。アジアでは 「王者栄耀（Honor of Kings）」が、北米では「モノポリーゴー！」が、ヨーロッパでは「コインマスター（Coin Master）」が、 中東では「PUBGモバイル（PUBG Mobile）」が、そして中南米では「ガーナフリーファイア」が1位に輝いた。

2023年の収益成長ベースで上位のパブリッシャーと、各パブリッシャーの最も高い収益成長を記録したゲームを見てみると、1位の座を獲得したScopelyの 「モノポリーゴー！」が目立つ。2位にランクインしたDream Gamesの「ロイヤルマッチ」は、非常に効果的なユーザー獲得キャンペーンを実施し、 大きな成長を遂げた。注目すべきは、2023年の収益成長トップ10のパブリッシャーのうち、7社がアジアに拠点を置いている点で、 これにより、将来の市場を牽引するリーダーがどこで生まれるのかを予測できる。

2023年モバイルゲーム市場のダイナミクスの変化、ライブオペレーション慣行の進化、新しいゲームジャンルの登場、革新的なIPコラボレーションなど、 より詳細な内容は、「2024年モバイルゲーム状況」レポートで確認できる。センサータワーのウェブサイトからレポート全文をダウンロードできる。

センサータワーについて

2013年に米国サンフランシスコで設立されたセンサータワー（Sensor Tower）は、Twitter、Unity、Tencent、HBOなどの グローバルデジタル企業から信頼を得ている、業界トップクラスのデータ分析会社として確固たる地位を築いている。センサータワーは、モバイル市場のトレンドを把握できる ストアインテリジェンス、広告戦略を最適化できる広告インテリジェンスなどのインテリジェンスツールを通じて、モバイルスタートアップから優良企業や 金融機関に至るまで、モバイルビジネスのあらゆる段階において、深いインサイトと先進的な顧客サポートを提供している。センサータワーは、 ポケットゲーマーモバイルゲームズアワード2022で「最優秀データ/分析ツール」を受賞した。

ウェブサイト: https://sensortower.com/ko

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ユ・エナ